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現代的アップデートと作品らしさ「ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!」20231001


良くは知らないけど、お馴染みのキャラであるタートルズの現代版アニメ。
とてつもないアニメ技術で描かれるタートルズたちがかわいい。
そしてその他ミュータントたちの笑えるほどの気持ち悪さ。
子どもの頃、BSやケーブルテレビで海外3Dアニメを見た時の「キモッ」という素直な気持ちを思い出した。

スプリンターの声はジャッキー・チェンでスーパーフライの声はアイスキューブ。
まだこの映画を見ていない人はこれだけで見たくなることでしょう。








以下、ネタバレかつ作品の出来とは関係ない個人的な感想

能天気に「カワバンガ!」と言って楽しめるノリの映画化と思ったけど、結果ずっと人権や社会問題について考えてしまった。

今回、設定と人物描写が掘り下げられているせいで、タートルズ含め、ミュータントたちが容姿や出自で差別される人のメタファーに見えてしまう。

彼らを15歳の少年少女と思うと「ミュータントの彼らが人間社会に馴染む為にはどうすれば・・・」とどうしても考えてしまう。


過保護な親であるスプリンターの元で育ったタートルズと、情はあるけどギャング気質であるスーパーフライの元で育ったミュータントたち。
(ミュータントたちの服装があまりにヒャッハーすぎる)
この対比もリアルな社会問題を感じた。

スーパーフライの笑えるほどの裏切られスピード。
毒親だったのだろうか。悲しい。

ラストでミュータントたちと人間達が共闘するところは涙が出るほどグッと来たが、
その後もタートルズ以外のミュータントたちが地下で暮らし続けているのは「うーん、まぁそうなるよね」とも思った。


どうしても「現代的アップデートにされた社会性ある作品」という見方にいきついてしまう。
タートルズってそういう作品だっけ?
と思うけど、もう現代の感覚でその辺のことをすっ飛ばした作品を作るのは不可能だろう。
むしろそっちの方がノイズになる。
このねじれは現代に荒唐無稽なアメコミをリブートするとどうしても起きてしまう現象なのだろう。