宮部みゆきは母が好きで、実家の本棚に並んでいた。
学生の頃、自分も数冊読み、好きになったのだが「火車」は題材が重いせいか、手が伸びなかった。
母に「お前のような奴は将来借金に気をつける為に読んだ方がいい」と言われ勧められたような記憶もある。
そして大人になった今、たまたオーディブルにあったので触れた。
名作だった。
後半に差し掛かるころにはオーディブルで聞くのがまだるっこしくなり、本を買って読んでしまったくらいだ。
久しぶりに読んだ宮部みゆき作品は、その小説の上手さに驚かされた。
この人ならどんな題材でもスルスルと読ませてしまうんじゃないだろうか。
ラスト1ページはなるほど、みんなが語るのも納得の余韻。
トリックの為のミステリーじゃない、
謎が生み出す人間ドラマこそミステリーなのだと感じた。
こうしてかつて母に勧められた本を読んだのだから
一言ぐらい連絡すればいいのだが、それはまだしていない。