Travis Japan松田元太くん勇姿を見るべく視聴。
学ランでリュックを両手持ちする松田元太くんを見られるだけでファンはお釣りが来るかもしれない。
しかしそんな意識も吹き飛ぶくらい映画本編がすごかった。
普段見ないタイプの映画だったせいもあるけど、中々飲み込むことができずに感想を書くのに2日ほどかかってしまった。
この映画、中高生向けのキラキラ映画かと思いきや恐ろしいドンデン返しが待つ映画だったとは。
あまりにも長くなってしまうけど書く。
以下、ネタバレ
あらすじとしては彼氏がトラックに轢かれたことをきっかけにヒロインがある一日を数回繰り返すタイムリープ映画。
ヒロインはタイムリープの中で彼氏を救うべく行動する、かと思いきや、案外ゆるく過ごす。
とりあえず彼氏は毎回死ぬ。
そしてある日、ヒロインは突然決意する。
「丁寧な暮らしを心がけよう」と。
きっかけがなんだったのかはよくわからない。
丁寧な1日を送ることでいい感じに色々収まり、無事に事故を回避する彼氏。
と思いきや、今度はヒロインがトラックが轢かれてしまう。
何故失敗したのか、と考えると丁寧な暮らしを心掛けていたのにもかかわらず自転車の2人乗りをしてしまっていたからだろう。
道路交通法違反である。
こうしてヒロイン死亡か、と思ったところでタイムリープ終了。
ヒロインは現実で目を覚ます。
ここがこの映画第一のドンデン返しポイント。
現実では、トラックに2人とも轢かれ入院していたのである。
つまり我々がタイムリープ前だと思っていた最初の一日は、既にタイムリープ後の1回目であり、
今までの話はタイムリープではヒロインの見ていた夢だったのだ。
そうなると今までのあらゆる不自然な展開、行動にも納得がいく。
(特に、登校時に突然ひょっとこのお面を被っていたクラスメイト。
あれ謎すぎて絶対なんかの伏線だと思っていた)
しかしこの物語最大の謎。
「事故の原因が主人公達の信号無視による物だったか」である。
何度も事故シーンが描かれるのにそこは不自然なほど描かれない。
何らかの事情でそこを明確にしなかったようだが、そこで先の自転車2人乗りの件がヒントとなっている気がする。
ヒロインは彼氏の死の原因となってしまった自分の道路交通法違反を心の中で悔やんでおり、その結果「丁寧な暮らし」をする自分でいようと思ったに違いない。
しかしそれでも彼氏といる時は夢の中でも2人乗りという違反をしてしまった。
都合のいい夢を見る自分に対する「現実に戻れ」という警鐘だったのだろう。
そして映画は終盤へ。
ヒロインは退院後、彼氏が目覚めを待ち続ける。
そしてある日、2人の思い出の場所で黄昏れていると突然彼氏が現れる。
なんと彼氏はいつのまにか回復していたのだ。
2人は抱きしめ合い、めでたしめでたし。
という終わり方なのだが、どう考えても最後唐突に現れた彼氏が不自然である。
目覚めた時点でヒロインに連絡が来なかったのも謎だし、あれだけの怪我だったのに事故などなかったかのような姿で現れるのだ。
実はその手前のヒロインの行動も気になる点はあった。
ヒロインは罪悪感から日々病院にお見舞いに行く訳でもなく、塞ぎ込む描写がある訳でもなく案外普通に過ごしていたのだ。
そう、もうここまで来ればお分かりだろう。
この映画第二のドンデン返しポイント。
最後に現れた彼氏はヒロインが生み出した幻影だったのだ。
真の時系列はこうだろう。
ヒロイン目覚める→彼氏の重症を知る→号泣シーン(彼氏死亡)→罪悪感から心を病む→彼氏の死を認めず生きる日々
以上のことが映像的には全く描かれていないが、そう推測できる要素が散りばめられているのである。
青春キラキラタイムリープ映画だと思っていたら、まさかこんな構造的な映画だったとは。
そしてあまりにも救いがない話である。
しかし、そうやってこの映画を見る中高生達に道路交通法の大事さを伝えてようとしているのかもしれない。